
ダイエットに必要なこととして、適度な運動と適切な食事制限を行なうことで、摂取カロリーよりも消費カロリーが上回る状態を維持すれば良いことは、よく知られていることです。
しかし、ダイエットする意識が特に無いにも関わらず、筋トレをしていることで自然と痩せる効果を得ている人もいます。
そこには、筋肉が持つ特性が大きく関係しています。
筋トレを行なうことは、筋肉の量を増やす目的がありますが、筋肉自体には生まれつき、速筋と遅筋の2種類が混ざって存在しています。
速筋は、太くて大きな力を瞬間的に出すことが出来るので、短距離種目を行なう選手に多い筋肉です。
一方の遅筋は、マラソン選手やロードレーサー乗りに多い有酸素運動を行なって、さほど強くは無いものの長時間力を出し続けることが出来る筋肉となっています。
速筋と遅筋の割合は、個人差が大きく遺伝的な要素が強いので、鍛えても割合が変わることはありません。
有酸素運動を多く行う遅筋は、低負荷の運動を長時間行なうと鍛えられて、筋繊維が太く育ちます。
とはいえ、速筋ほどの急速な肥大は起こらないので、見た目に大きな変化があるわけではありません。
しかし、遅筋が太く育つと何もしていない時であっても、エネルギー消費が行われるので、基礎代謝が上がります。
1日のカロリー摂取量に差がなければ、基礎代謝が多いほど消費カロリーが自然に増えることになり、気がついたらダイエット効果が認められていたという状況になるわけです。
筋トレを行なう際には、数分だけ行ってすぐに止めてしまうことはしないでしょう。
ジムに通ってしっかりトレーニングをすれば、自分では速筋を鍛えているつもりであっても、実際には遅筋も同時にある程度は鍛えていることになります。
結果として、寝ている間であってもカロリー消費を行なう遅筋の筋繊維が太くなり、有酸素運動もトレーニング時間が長いほど同時に行っていることになります。
筋トレを始めると、一時的に体重が増えることは、有酸素運動により消費される脂肪よりも付いた筋肉の方が比重が重いからです。
ダイエット目的ではなくとも、遅筋が成長すれば、基礎代謝が上がるので相対的に摂取カロリーを消費カロリーがオーバーする事態となるでしょう。
後から体重が減るようになるのは、成長した遅筋により基礎代謝量が増えてから消費カロリーが増えるためです。
筋肉の成長に必要なアミノ酸やタンパク質は、食事制限を行なうと取りにくくなるので、筋トレこそがダイエットに良いとされるのは、基礎代謝量を挙げられるからです。